日本について考えるブログ




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青春の瞬き :: 2012/06/09(Sat)

  美しさと正しさが等しくあると
  疑わないで居られるのは若さ故なんだ
  子供みたいに疲れを忘れて寄り掛り合えば
  僕らはたった独りでいるよりも有りの侭になる
  時よ止まれ 何ひとつ変わってはならないのさ
  今正に僕ら目指していた場所へ辿り着いたんだ

  新しさと確かさを等しくもとめ
  生命をほんの少しだけ前借りしたんだ
  大人になって恥じらい覚えて寄り掛り合えば
  僕らはきっと互いの重さを疎ましく思うだろう
  いつも何故か 気付いた時にはもう跡形も無い
  伸ばす手の先で消え失せる物程欲しくなるんだ

   (「青春の瞬き」詞:椎名林檎)




「青春の瞬き」は、栗山千明さんの5枚目のシングル「月夜の肖像」のカップリングとして収められている。「月夜野肖像」「青春の瞬き」ともに林檎さんのプロデュースによる。

「青春の瞬き」は東京事変解散のラストライブにおいて、アンコールの中、ラストの「透明人間」の手前の区切りで歌われた。このような重要な場面で、ファンと言えども100%は知らなかったかもしれない他アーティスト提供曲を披露した東京事変。

僕はこの歌詞をずっと一般的な感覚として考えていた。普通に「青春の瞬き」というテーマで考えていた。そして、どうも、いまひとつしっくり来ない歌詞だと思っていた。ひとつひとつの言葉は重いようでいて、しかし全体の統一感が無いというか、何が言いたいのか分からないというか、、、いつもの林檎さんの歌詞とは違う印象を持っていた。

ところが、今日改めて歌詞を読んでいて、ふとあることに気づき愕然とした。なんでこんなことに気づかなかったのだろうって感じ。この歌の中の「僕ら」は東京事変メンバーのことじゃないか!!いや、いろんなものが混ざっていると思うけど、自分はそれが一番しっくりくる。


「気付いた時にはもう跡形も無い。」
私たちの感覚の中には、ぬぐい去れない無常観がある。無常観を美しいとする心もある。でも、もし跡形もなくなる前に気づくなら、消え失せるものを止められるなら、はたして止めることを選ぶだろうか。

「伸ばす手の先で消え失せる物程欲しくなるんだ。」
のばすの手の先で決して消え失せない、本当に確かで美しいものなら、私たちはそんなものには惹かれない、のだろうか。


間もなく、最終ライブの映像がやってきます。
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  1. りんごさんのことば
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新しい文明開化~英詞・独自日本語訳・ライブ字幕の比較~ :: 2012/04/01(Sun)

東京事変が解散して、しばらく腑抜け状態になっていたのだけど、ようやく、やらねばならない、と思っていたことをやり終えた。それは「新しい文明開化」の日本語訳。

「新しい文明開化」は、英語で書かれている。
そして、ライブで日本語の字幕が流れた。
そのため、この字幕の日本語が、この曲の和訳だと多くの方が思っているようだけど、
僕はそれに疑いを持っている。決して「訳」ではない、と。。。

僕は、字幕の日本語は、オリジナルをベースにした新しい作品だと感じる。
例えば、字幕では「同胞よ」と呼びかけている部分、
これはファンの人に、もしくは後ろに「NIPPON」と出ているように、
日本国民全体に対する言葉になっていると思うのだけど、
もともとは、もっと個人的な言葉で「friend」と。
つまり、事変メンバーに対して、なのじゃないだろうか、とか考えてしまう。

確かにおおむね和訳にはなっていると思うのだけど、
明らかに省略しすぎだし、所々、そうじゃないだろう、と思う箇所だってある。
だから、オリジナルの英語詞の内容をしっかり味わうべきだ、と思った。

ところどころ難しくてどうにもならなかったのだけど、
これは説明文ではなく「詩」なので、仕方ないのかな。

でも、訳を終えて胸がいっぱいで、とても悲しい気持ちになってきた。
どこかに自分が共感している所為かもしれない。

######
コメントでより正しい訳(もしくは別の解釈)への指摘を受けた箇所に関して、加筆しています。
自分の訳に<>を付し、その下に色文字で加筆しています。
自分が最初に書いた訳もそのまま残してあります。
他にも意見がありましたら気軽にお寄せください。
素晴らしいこの作品の世界観に共に迫りましょう!(2012/06/30)



ーーーー
「新しい文明開化」
上段:オリジナルの英語詞(作詞:椎名林檎)
中断:僕の日本語訳
下段(括弧内):ライブで披露された日本語字幕(りんごさんか、事変メンバーの合作と思われる)


KNOCK ME OUT NOW
とどめをさして
(今すぐ打ちのめされたい)

THE GROUND I’M ON IS FAILING
私が立っている地面は不安定で役に立たない
(地に足が付いて居ないから)

ONE MORE HIT AND I GO DOWN
もう一発ぶん殴られれば私は簡単にダウンするから
(次の一撃でくたばるはずさ)

ーー

ALL I EVER SEE IS PRETTY FLOWER POWER
BUT YOU KNOW I’M REALLY STARVING FOR THE OTHER SIDE
私はいつもおめでたい愛や平和を見てきたけど、
でも本当に私が求めているものは、それとは反対のものなのよね
(目を凝らせば凝らすほど麗しい花しか見えない)

ALL I EVER HEAR IS CHATTER FLATTER HOUR
BUT YOU KNOW I’M REALLY HOPING FOR A BETTER LINE
私の耳に聞こえてきたものは、だらだら続く結論のないおしゃべりばかり
でも本当に私が求めているものは、短くて中身のある言葉なの
(耳を澄ませば澄ますほど甘い声しか聴こえない)

ALL I EVER BREATHE IS KIND OF BROKEN DOWN
BUT YOU KNOW I REALLY WANT TO FIND A LITTLE TIME
私は今までたくさん一息ついてきたけど、それは自分を老いぼれにしてしまうもの
私が本当に欲しい時間はほんの一瞬で十分
(鼻腔めがけ強く吸い込めば臭覚はやおら沈黙し)

ALL I EVER TASTE I WANT TO SPIT IT OUT
AND YOU KNOW I’M REALLY DYING FOR A LITTLE LIGHT
私がいままで食べてきたものは吐き出したくなるものばかり
<そして私は本当にもう死にかけている>
ほんの小さな光でも欲しくてたまらない
(吐気を催さんばかりに頬張れば味覚が散らかる)

SOMETIMES IT FEELS
THE MORE YOU WANT AND WANT IT
YOU GET CAUGHT AND FORGET IT’S NEVER REAL
時々感じる
欲しくて欲しくて仕方のないものほど
あなたはそれを手に入れては、それが実在しないことを忘れているの
(手を伸ばせば伸ばすほど欲しかった物を忘れて)

SOMETIMES I FIND
I THINK I’M LOSING MY MIND
I GET CAUGHT AND FORGET IT’S NEVER REAL
<時々気づくの
私も自分を見失ったとき
何かに希望を見いだしては、それが決して実現しないことを忘れているんだ>
時々わたしは気が狂っているんだと気付く
手に入れてしまったあとで、それが決して現実の物ではないことを忘れている

(閃いたと思えば思うほどあらゆる観念が遠退く)

HELLO GOODBYE
こんにちは、さようなら
(やあやあ、ごきげんよう)

SEE AND TOUCH, THINK AND KNOW
FEEL, FORGET, BREATHE NOW BECAUSE
SOMETHING HAS GONE WRONG HERE, I SAID
MY FRIEND
見て触れて、考え知って、感じて、忘れて、息をするの
だってここでは何かが狂っていってしまうから。。。ああ、友よ
(感じろ、忘れろ、嗅げ、だってほら
狂っていくのが見えるだろう、我が同胞よ)

THE SPACE I’M IN IS FADING
私がいるこの空間は色あせていく
(この指先は宙を弄るばかりで)

ONE MORE PUNCH WILL DO ME IN
DO IT FOR THE WIN
さあ、もう一発パンチを食らわすのよ
あなたの勝利のために!
(握り拳一発でヤられるだろう)

WHAT IS WRONG?
何も間違ってなどいない
(どうしたんだよ)

YOU’VE COME THIS FAR, NOW TAKE IT
あなただってもう後戻りできないはず、さあやるの
(事態は容易くあまりに明白)

ONE MORE KICK AND I’LL BE DONE
KICK ME, HAVE YOUR FUN
もう一発キックを食らわせば、私はそれで終わり
さあ蹴って、楽しむの
(足蹴り一発でヤられてやるよ)

1234, I KNOW THE SCORE
1234 状況は分かっていた
(1234 ゴカクゴ)

5678, HEAR WHAT I SAY
5678 私の言う通りにして
(5678 ナムサン)

ーー

ALL I EVER SAY I NEVER SAY IT LOUD
BUT IT’S LIKE I’M REALLY WAITING
FOR A BIGGER FIGHT
<私はずっと大声は出さないって言ってきたけど
それは物事がこじれるのを待っていたようなものだった>
今までこのことは声高に言わなかったけど
本当はもっと大試合を望んでいたようなもの

(舌をまわせばまわすほど事を荒立てる一方だし)

ALL I EVER FEEL I WANT TO SPIT IT OUT
AND IT’S LIKE I’M REALLY DYING
FOR A LITTLE LIGHT
私はずっと吐き出したいものばかりを肌に感じてきて
それはあたかも本当に死んでいくことのよう
(吐気を催さんばかりに頬張れば味覚が散らかる)

SOMETIMES IT FEELS
THE MORE YOU WANT AND WANT IT
YOU GET CAUGHT AND FORGET IT’S NEVER REAL
時々感じるの
欲しくて欲しくて仕方のないものほど
あなたはそれを手に入れては、それが実在しないことを忘れているみたい
(足を運べば運ぶほど求めていた物を思い出せず)

SOMETIMES I KNOW
I KNOW THE MILES GET OLD,
WE GET CAUGHT AND FORGET IT’S NEVER REAL
長い時間を重ねてそれでもなお
何かを手に入れてはそれが現実のものでないことをやっぱり忘れているみたい
(極まれりと感じるたび萬の想念は打ち砕かれる)

GOODBYE HELLO
さようなら こんにちは
(ごきげんよう、やあやあ)

SEE AND TOUCH, THINK AND KNOW
FEEL, FORGET, BREATHE NOW BECAUSE
SOMETHING HAS GONE WRONG HERE, I SAID
MY FRIEND
見て触れて、考え知って、感じて、忘れて、息をするの
だってここでは何かが狂っていってしまうから。。。ああ、友よ
(見ろ、触れろ、思い知れ、感じろ、忘れろ、嗅げ、だってほら
狂っていくのが見えるだろう、我が同胞よ)

THE SPACE I’M IN IS FADING
私がいるこの空間が色あせていく
(この指先は宙を弄るばかりで)

ONE MORE PUNCH WILL DO ME IN
DO IT FOR THE WIN
さあ、もう一発パンチを食らわすのよ
あなたの勝利のために!
(握り拳一発でヤられるだろう)

WHAT IS WRONG?
何も間違ってなどいない
(どうしたんだよ)

YOU’VE COME THIS FAR, NOW TAKE IT
あなただってもう後戻りできないはず、さあやるの
(事態は容易くあまりに明白)

ONE MORE KICK AND I’LL BE DONE
KICK ME, HAVE YOUR FUN
もう一発キックを食らわせば、私はそれで終わる
さあ蹴って、楽しむのよ
(足蹴り一発でヤられてやるよ)

1234, I KNOW THE SCORE
1234 状況は分かっていた
(1234 ゴカクゴ)

5678, HEAR WHAT I SAY
5678 私の言う通りにして
(5678 ナムサン)

ーー

NO DON’T DOUBT
だめ、疑わないで
(しくじるなよ)

THE GROUND I’M ON IS FAILING
地に足が付いていないって言ってるでしょ
(地に足が付いて居ないんだ)

ONE MORE HIT AND I GO DOWN
あとたった一発で私はダウンする
(次の一発でくたばるはずさ)

I GO DOWN
本当にダウンするのよ
(かならずや)

WHAT WAS RIGHT?
何が正しかった?
(なんだってんだ)

THIS PAST IS NOT WORTH SAVING
この過去は全く記録するに値しない
(幾度なぞっても冴えない過去)

I DON’T WANT ANOTHER ROUND
NOTHING TO BE FOUND
<得る物のない勝負はもう望まない>
やっぱりこのラウンドで戦いたい
他のラウンドじゃ嫌、だって見つかるものは何もないから

(発見のない勝負にはこりごり)

WHAT IS WRONG?
間違ってる?
(どうしたんだよ)

THE PAST IS WHAT I’M CRAVING
この過去は私の渇望そのもの
(ー)

BOTH MY FEET HAVE LEFT THE GROUND
NOWHERE TO BE FOUND
<私の両足は
ここにはない別の地面につながれたままだった>
私の両足は地を離れた、どこにもない場所へ向かって
(誰も知らない私の本当の脚は
両方過去にへばり付いている)




林檎さん、最後泣いていたのだろうか。。。

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落日 :: 2012/02/12(Sun)

東京事変の「落日」。この曲は、3枚目のシングル「修羅場」のカップリング曲で、アルバムに収録されていない。本来はセカンドアルバム「大人」のラストに入る予定だったが、伊澤さんが曲を提供した「手紙」が採用されて、この落日は収録されなかった。林檎さんはインタビューでそう答えている。

「手紙」と「落日」は共に、去り行く者の存在がうたわれている。「手紙」は、明らかに1期のメンバー二人に送った曲だと言われており、僕もそうなのだろうと感じる。重厚な言葉が並び、他に似た曲を思いつかない。名曲。

一方の「落日」は何か違う。そもそも、誰かに宛てる「手紙」というものと、1日の終わりに避けようがなくやってくる「落日」ではイメージも全く違うじゃないか。この「落日」も去り行くメンバーへ送った曲だと言われたりしているが、僕はそうではないんじゃないかと感じる。なぜなら、あまりにも「落日」からは「死」が香ってくるからだ。


     君は産まれ僕に出会い春を憂い秋を見た
     記憶を辿る過程であどけない君の写真に
     認めたのは僕が所詮季節すら知らないこと
     現在では声をなくした君だけが映す月花

     「あてにならないことばかり」って
     嘆いたこの舌の根でさえも
     乾く前に期待を仄めかす
     まるで手ごたえの得られぬ夜
     また小さく一つ冷えていく生命を抱いた

     雪に生まれ何時も笑い雨を嫌い此処に居た
     確かなのは只唯一君のさっき迄の温もり

              「落日」より
               (詞:椎名林檎)


僕は、この曲は林檎さんの愛猫の死に捧げた曲だろうと思う。確信的にそう思う。林檎さんは猫が好きで、猫を飼っていたことはよく知られている。しかし、ちょうどこの頃に本当に死んでしまったのか、などの情報は僕は全く知らないのだけど。。。


それにしても、この曲がこれほどまでに心に響くのは、もはや宗教観の一致なのだろう。この曲には明らかに輪廻的な思想が内包されている。また、人間以外の「自然」がたくさん登場する。季節、太陽、雪、雨、月、花。そんなものたちを背景に、あっという間に生まれ去っていく命をうたっている。

そして何と言っても最後の1フレーズなのだ。


     独りきり置いて行かれたって
     サヨナラを言うのは可笑しいさ
     丁度太陽が去っただけだろう
     僕は偶然君に出会って
     ごく当たり前に慈しんで夕日を迎えた
     さあもう笑うよ


「さあ、もう笑うよ」とうたわれたところで、笑うどころか、どばーっと涙腺爆発なのだけど、しかし、それまでは下を向き、過去にとらわれていた自分が、泣きながらも空を見上げ、未来を考えようとする自分に変えられていることに気づく。「落日」という作品は、この最後の、たった1フレーズ。これがあまりに凄い。凄すぎて言葉が無い。こんなありふれた言葉なのに、これほどの重力を放つことができるなんて。。。

この落日。もちろんCDバージョンもいいのだけど、やはりライブバージョン。素晴らしい。アコースティックギターもエレクトリックギターも、ずっと泣いている。途中、葬列を思わせるような行進的アレンジも、このライブバージョンだけだ。そして最後、「さあもう笑うよ」のところ。やばい!そしてその後、伊澤さんの豪快なピアノが、どんどんと景色を明るくしていく。CDバージョンではこの状態で珍しくフェードアウトの手法で終わるのだけど、ライブではもう一度、思い出したかのように悲しい音をアコギが奏でて、曲は終わる。




****

最後のライブ、抽選全部落ちた。シネマライブはなんとか当たってほしいんだけど。。。そして全く予想できないセットリスト。特に、ラスト。いったい何の曲が来るのだろう。落日は特殊な作品なので歌いにくいかもしれないけど、聴くことができれば嬉しいのだけど。。。





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  1. りんごさんのことば
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Color bars :: 2012/01/22(Sun)

東京事変解散のアナウンスがされたとき、ああ、やっぱりか~、と思った。

それは「能動的三分間」の歌詞の最後の方。


I'm your record, I keep spinning round
  But now my groove is running down
  (我々は使命を果たしたと思う,しかし始まったものは終わる・・・)

  Don't look back brother get it on
  (決して振り返ってはいけない,任務を全うせよ)

  That first bite is but a moment away
  (幸せな1口目が待ち構えている)

  When I'm gone, take your generator, shock!
  Raise the dead on your turntable.
  (我々が死んだら電源を入れて,君の再生装置で蘇らせてくれ)



このブログでも当時、僕は東京事変は解散するんじゃないかと書いた。でも、能動的三分間のカップリング曲が「我慢」だったので、もう少しは本望でないにしろ活動するのだろうと思った。何に我慢したのだろう。レコード会社との契約の問題とか。もしくは全く見当違いか。

にしても、アルバム「大発見」はそれまでの4枚とは何か違っていたと感じる。教育、大人、娯楽、スポーツ、の4枚からは、アルバム全体を貫く太い線のようなものを感じたが、大発見にはなかった。。

僕の勝手な妄想だとことわった上で書きたい。

「スポーツ」までで、やりたいことをすべてやった達成感が生まれたのじゃないかと思う。で、ずっと同じこと続けていても仕方ないわけで。新しいアイデアが出なくなって、積極的に何か生み出そうという意志のコラボレーションがバンドメンバー間で構築できなくなった時、その時が解散の時期なのだと思う。

能動的三分間の時にもうその状態になりつつあったのだろう。だからその後に制作された「大発見」というアルバムは乗り気で制作されていないように思う。金ぴかの色使いで派手なジャケットだったけど、「天国へようこそ」でサンドイッチされたアルバムなのだ。「私に梔子(口無し)」(和歌でよくある掛詞)から始まって、「I am dead」で終わっているのである。解散はもうほとんど決まっていたけど、何らかの理由で作らなければいけないアルバムだったんじゃないだろうか。刃田さんが酔っぱらって窓ガラス割ったのも何か関係があるのかと思う。あの事件のせいで解散できなくなったということもあるかもしれない。彼は警察沙汰と引き換えに自らのバンドの解散を阻止したとか!?また震災の影響もあったかもしれない。とにかく、解散のタイミングが全くつかめないまま、ここ数年は微妙な状況が続いていたんじゃないかと僕は想像する。

そして今月、ようやく本当に「解散」がアナウンスされ、そして最後のアルバムとなる「Color bars」が発表された。



ずっとテレビチャンネルの名を冠したアルバムを出して、最後にカラーバーというのは、林檎さんの大好きな形式美としては完璧な最後だ。と同時に、テレビの時代は終わったんだって、そんなメッセージも少し感じる。


ああ、このアルバムが本当の東京事変なのかも。メンバーそれぞれが自由に一曲ずつを提供して、まとまりなど全くないけど、そんなふうに作ったんだろうから、とても気持ちいい。

「今夜は空騒ぎ」。林檎さんの曲。これはプロって完成度だなぁ。隙がない。こんなメロディ、どうやって生まれてくるんだろう。じわーっと悲しくなってくる。「怪ホラーダスト」は伊澤さんの曲。歌っている姿が目に浮かびそう。ピアノ弾いてる姿も。ふざけているのか真剣なのかよく分からない、そんな境界線が僕は好き。「タイムカプセル」は亀田さんの曲。なんか走り回る他メンバーを受け止めてくれる広い背中って感じた。「sa_i_ta」は浮雲氏。これは浮雲さんそのもののサウンド。同じ場所にいるように見えて、すっとテレポーテーションするの。とてもクール。でもちょっとほろ苦い。「ほんとのところ」は刃田綴色さん。この曲には度肝抜かれた人が多いようだけど。僕もその1人かな。はじめて刃田さんが裸になった。そしてどんな人なのか少しだけ分かったような気がする。でも刃田さんがこの曲を歌うことができるのは、東京事変というバンドの仲間あってのことだろう。そう思うととても切なくなってきた。彼だけは、実はまだまだこの仲間と音楽やりたいって思ってるんじゃないかって、そんなふうに思えて。。。

解散ライブのチケット抽選券が入っている今回のアルバム。AKB48のファンのように、ここはCD5枚くらい買うべきかなんてちょっと思ったのだけど、やはり大人らしくやめました。なんとか抽選に当たってライブ参加したいものだ。林檎さんライブでもドラムやるかなぁ。


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  1. りんごさんのことば
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本当に欲しいもの :: 2011/11/12(Sat)

NHK朝の連続テレビ小説「カーネーション」の主題歌、
椎名林檎さんの「カーネーション」がリリースされた。


  かじかむ指ひろげて
  風に揺れ雨に晒され
  遥か空へ身を預けて
  生きよう
  何も要らない私が今
  本当に欲しいもの等
  唯一つ、唯一つだけ

   「カーネーション」より
   (詞:椎名林檎)

全歌詞 → カーネーション 椎名林檎 歌詞情報 - goo 音楽


何も要らないと言いながら、
本当に欲しい唯一つのもの。

「要らない」と言っているものは、すぐに手に入るありふれたもの、
そして、「本当に欲しいもの」は、簡単には出会えないもののこと。
そんなふうに感じた。

本当に欲しい唯一つのものっていったい何だろう。

僕は、生きることが素晴らしいと思えること、
生きることを肯定的に受け止められる実感、かなぁ、と思った。
瞬間的なイベントじゃなく、継続的に。つまり、社会の中の、人と人とのつながりの中で。

真剣に生きている人ほど、滅多に出会えないものなのかもと思う。

詞は抽象的で具体的な言及はないけど、
ドラマからもそんな雰囲気を感じる。


****


LINK
(Amazonにリンクしています)

リリースされたシングルは、「カーネーション」「私の愛するひと」「人生は思い通り」の3曲。
どの曲も過ぎた時代を感じるどこかレトロな曲調。
曲間は曖昧。心地よく3曲が接続されており、この順番で3曲通して聴くのが圧倒的にオススメ。
しかも今回は、いいオーディオやイヤホン、ヘッドフォンもいいけど、
出力の小さなスピーカーから鳴らすと本当に雰囲気がいい。
イヤホン無しでiPhoneを直接鳴らした時が一番素晴らしかった。
携帯ラジオなんかから流れてくるとゾクゾクしそう。
似た環境で聴ける方は是非お試しを。



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  1. りんごさんのことば
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天国へようこそ :: 2011/07/10(Sun)

東京事変の「天国へようこそ」の歌詞(英語版)の日本語訳.

けっこう難しかった...雰囲気が伝わってくるのに,日本語にできない,というか...もちろん意味や解釈はひとつではありえないのだが,これはあくまで,自分が感じることができる範囲でのひとつの訳,ということで.

ひとまず今のところの訳をここに残してみる.

---

There's only one truth if you say still I'm dreaming
(あなたはわたしが夢を見ているだけだって言うけど,真実はひとつのはずよ)
You're acting in a play you call your life
(あなたは自分の人生を楽しく演じているようね)
The sketch of flowers on paper - Can you smell them?
(紙に描かれた花の香りをあなたはかぐことができるかしら?)
Well, I would rather bloom for eternity
(わたしはむしろ,永遠に咲く花でいたい)

Don't talk to me
(話しかけないで!)
I'm gonna suck and drink your life right from you
(私はあなたの人生をむちゃくちゃにしてしまいそう)
No life in me
(わたしのはつまらない人生よ)
I've got no time for changeless things and useless things
(とても大切で重たいもののために身を捧げることもなかったし,つまらないことを笑い楽しむこともできなかった.)

Which one's the real face of the sky, day or night?
(昼と夜,どちらが本当の空かしら?)
How do you think? Uh…I suppose it's both
(あなたはどう思う? わたしはどちらも同じ空だと思うの)
It's contradicting the nature of existence
(そこに存在するということ自体矛盾に満ちているものじゃない)
It's somewhere I must go without delay
(ああ,わたしは違う場所に行きたいの.遅れないようにしなくちゃ)

Good bye my sunshine
(さようなら,わたしの大切な人)
Good bye my darkest days
(さようなら,わたしの真っ暗な日々)
Cause I have just wasted my life away
(そう,たった今人生を無駄に使い捨てたわ)
I'm more dead than alive
(生きてなんていない.死んでいるの)

Hello
(あら,まあ.)
I'm gonna suck and drink your life right from you
(私はやっぱりあなたを殺してしまう)
Don't come near me
(だから近寄ってはだめ)
Now it is time to recognize when you've crossed the bar
(さあ,自分で認知するのよ,自分が死んだ時のことを)

I am dead
(天国へようこそ)

---


話しかけている相手を恋人と設定したが,そうである根拠は全くない.

語る人物を女性にしているのは,「Well, I would rather bloom for eternity」の一行があるし,それに思考のプロセスというか,そういう全体から女性のニュアンスを感じる.林檎さんの詞なのだから当たり前ではあるのだけど,しかし出回っている訳は「僕」になっているものが多い.

「I've got no time for changeless things and useless things」
が難しい.ちゃんとした英語になっているのかどうかもよく分からないのだが,何らかの意味をここに込めていることは間違いないので考えてみた...「changeless」は英語では不動・不変で安定したしっかりしたもののニュアンスで,信仰や神を連想する.「useless thing」はつまらないものの意味だが,このフレーズでは,「changeless things」と「useless things」のどちらにたいしても時間がなかった,と言っているので,語り手はどちらにも価値を見いだしていると仮定して,上のようなむちゃくちゃな意訳をした.(涙)

Helloがと~っても怖い.でもどう訳していいものか...難しい.ここでは挨拶のハローではなく,ご満悦的な,得意げなニュアンスのハローだと解釈した.これは言葉自体よりも音楽を聴くことでのイメージだが.

最後のフレーズも悩んだけど,「わたしは死んでいる」はもう聞き飽きたので,やはり「天国へようこそ」かな,と.

ところで,この死は肉体的な死なのか,精神的な死なのか,,,「Now it is time to recognize when you've crossed the bar」の部分は,「さあ,あなたも自分で認識するのよ.いつを自分の死とするのかを」でもいいんじゃないかと思う.一般的に「死ぬ」と言えば肉体的な死のことだと思うのだけど,この歌の世界ではそうでもないのではないだろうか.この「天国」は,いわゆるキリスト圏で言うところの神の国,のことでは間違いなく,ない.

ギター弾くようになって,コード進行も楽しくなった.この曲,フィナーレに向かうところの,

/D/GM7 DM7/F#m7-5 B7/ Am7
(http://gakufu.gakki.me/m/data/N00110.html)

がすごい.最後の結論であるAm7で「I am dead」なのだが,絶望的悲しみと解放の喜びの両方が,どちらもこのAm7の中に見える!すごい.


****

こんなとんでもない曲に日本語と英語でサンドイッチをくらった今回の東京事変のニューアルバム「大発見」.なにしろ,「私に梔子(口無し)」(和歌でよくある掛詞)から始まって,「I am dead」で終わる恐ろしさ.今回はフェードアウトの曲もあり,曲間の「間」もしっかりとられていて,アルバム全体の統一感や疾走感が希釈されている.とりわけスポーツが濃密すぎたので(こちら)そう感じるのかもしれない.曲のタイトル文字数のシンメトリーは,文字数がすべてそろうという方法で残ったが,これも今までとは違うパターン.

というわけで,これまでの制作方法とはかなり異なったプロセスで作られたアルバムだという気がする.東京事変は,曲が潜在的に持っている雰囲気がアルバムの中の演奏ではたいてい出ていない(これはライブで必ず出会うことができます).毎度のこと,なので,ひとまずヘッドホンで,構成とサウンド,演奏の個人技とそのハーモニーを楽しむことで,ライブへの予習はばっちり.

アルバムの個人的な感想.「21世紀宇宙の子」がアニソンっぽくて面白い.最後のユニゾンもなんかとってもいい,というか新鮮.それから浮雲氏の曲は聴くたびにじんわり効いてくる.メトロなんかもそうだったけど.ほんと,しみ込んでくる感じ.最後に「女の子は誰でも」.シングルのときは「空が鳴っている」に隠れてしまってたのだけど,改めて聴いてノックアウト.

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空が鳴っている :: 2011/05/28(Sat)

「空が鳴っている」は,当初2月23日にリリースされる予定だったけど,(ファンなら)ご存知のとおりの例の事件によって発売が延期され...5月11日のリリースとなった.雑誌のインタビューによれば,太鼓の刄田氏が酒を飲んで問題を起こした時,ちょうど来月リリースになる新作アルバム「大発見」のレコーディング直後だったそうで,バンドはあまりいい状態ではなかったのだそうだ.

この曲は当然原発事故の前にできあがっていた.それなのにとても薄気味悪い.僕には歌詞全体から今回の原発事故のにおいがする.

空が鳴っている 東京事変 歌詞情報 - goo 音楽


もちろんありえない.現代の世相を抽象的な言葉で切り取れば,特定の事件事故を切り取ったかのような錯覚は当然起きるものなのだろう.

それにしても,歌詞の中に出てくる「君」を原子炉のことだと勝手に思い込むと,本当に悲しい曲になる.

欲望は人間を動かすいくつもの原動力の中の明確なひとつなのだと.私たちはその欲望を危険やリスクと天秤にかけ,そんな行為自体に時に魅了され,でも怖いものだから少しずつ周囲を遮断して,快適に欲望を実現し続ける安全空間を建設するのだ.この曲の中でそれは高速道路.でも心はどんどんと虚無感がつのっていく.困ったら神頼み,だ.

この曲はこれまでの東京事変の楽曲よりははるかに大衆的だと感じる.次のアルバムはいったいどんな世界観なのだろう...前回のスポーツはからっと乾燥していたけど,次は湿っぽそうだ.なんかそんな気がする.でも,こうやって常に変化し続けているというのが僕にとっては本当に嬉しいし,楽しみだ.

****

ところで,震災を意識したと思われる,このような動画がユーチューブにアップされていたので,リンクする(埋め込みは禁止されているようなので).

http://youtu.be/Qj_OGCbqplU

これは「夜明けのうた」.

夜明けのうた 岸洋子 歌詞情報 - goo 音楽


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ドッペルゲンガー :: 2011/02/05(Sat)

この国で生きていくことのなんと奇妙なることだろうか.

奇妙とは,いたるところに矛盾なるものが当たり前のようにあること,
いやそれこそが,理であるかのようにあることだ.

理屈は屁理屈であり,

理由は言い訳であり,

本音は建前であり.

計画は白紙であり,

幸せは不幸せでもある.

いつでも誰でも簡単にすり替える.
とっても簡単なことだ.

自然体で生活することがどれほどに難しいことか,

一度気づいてしまったものはもうもとに戻らない.
ちょうどコップの水がこぼれたようにもう水は戻らない.

そこからは自己矛盾との戦いが始まる.
自分自身の中で何を自分としたらよいのか分からなくなる.

笑顔を振りまいていつでも人に同意する自分に嫌気がさしても,
いつでももの申したい自分にだって嫌気がさす.

誰を演じるかはじめは分かっている.
でも次第に霧が濃くなり,
お互いの姿を見失い,
もう1人の自分はどこにいるのか
分からなくなっていく.
そしてある時,偶然に,
歓喜と嫌悪と恐怖と憎しみをもって,
もうひとりの分身と出会うことになる.




今日は 然様なら
愛してゐる 大嫌ひ
夕暮 泪雨
懇(ねんごろ) 赤の他人
見えてしまつたよ 慾を掌つた過去形
まう罷めるよ ほらすぐ此処に示して
楽にしてあげる

「ドッペルゲンガー」より
(詞:椎名林檎)


全歌詞:ドッペルゲンガー 椎名林檎 歌詞情報 - goo 音楽


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ドッペルゲンガーはサードアルバム「加爾基 精液 栗ノ花」の二曲目に収録されている.しかし僕は,この曲は1曲目の「宗教」と切断できないと思っている.どこまでが宗教でどこからがドッペルゲンガーなのか不明瞭.宗教の後半は林檎さんが違う声質のユニゾンでこだまのように歌い合う部分があるが,この辺からもうドッペルゲンガーの世界は始まっている.そういういう意味では3曲目の迷彩とも切断できないし,そもそもこのアルバムは1曲1曲に分解できない構造をしているのだが...

いちおう,CDインデックスで定義されてしまったドッペルゲンガーはこちら.





さて,この曲はファンの間ではちょっとしたいわくつきの作品だ.というのも,逆再生をするといろいろ聞こえるからである.もっとも怖いのは「誰か死ぬ」と聞こえるところだが,これは順方向で「楽にしてあげる」と歌っている部分である.

「楽にしてあげる」という言葉が,逆再生で「誰か死ぬ」に聞こえていることが怖い.誰が死ぬのか分からないというのも怖い.

そんなの偶然だろう?と励まされるところだが,僕はむしろ「たまたまそうなってしまっている」方がよほど怖いのよ.これが日本的な怖さ.

で,偶然ではないと僕は思って続きを書いてみる.

この作品はメロトロンという楽器が使われているようだ.

http://ja.wikipedia.org/wiki/メロトロン

この楽器は,それぞれの鍵盤に対応したテープがあり,鍵盤を押すとそのテープに録音された音が再生される.今回,この曲の逆再生で林檎さん自身の過去の楽曲がいくつか聞こえる.たぶん空耳ではない(と思う).熱心な方は相当数の楽曲を指摘しているが,僕には少なくとも「本能」と「積み木遊び」という二曲ははっきり聞こえる.逆再生で聞こえるわけだから,これはメロトロンにセットされたテープにそのように録音したということだろう.

また,林檎さんは左右対称,シンメトリーのような幾何学的な装飾が好きで.アルバムの楽曲も字数もたいてい左右対称だし,このアルバムは総演奏時間が44分44秒になっていたりする.時間が進む方向が,順と逆のふたつあることくらい当然考慮にあるはずだ.ドッペルゲンガーより前に発表されている「ストイシズム」という楽曲の中で,すでにそれを示唆する部分がある.

「でんよとんゃちをえまなのしたあ」
「でいなさいあをいめひなんおふ」

という,ブックレットには印刷されていないフレーズがあるのだが,これは逆から読むと意味がとれて,林檎さんの有名な曲の歌詞の一部である.これは逆再生ではないけど,かように逆向きの世界は十分に意識されている.

ということで,ドッペルゲンガーを逆向きに再生していろいろと感じるとすれば,それは偶然じゃなく意図的であってもおかしくはない.楽にしてあげるを逆から再生して誰か死ぬに聞こえることを林檎さんはあらかじめ分かっていて,ちゃんと聞こえるようにエフェクトをかけている可能性だって捨てきれない.どうだろう,怖くなくなりましたか?

(それにしても,偶然と意図的,一般にはどちらが怖いことなのだろう...!?)

問題の逆再生はユーチューブにあるのだが,とても気味が悪いので,霊感が強いとか,日本的な怖さに弱い人は決して夜中に,しかもひとりでヘッドホンで聞いたりなんかしてはいけません.お約束ください.(笑)

まあ何でも無い人は何でもないでしょうけど..




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依存症 :: 2011/01/30(Sun)

毎朝同じ目覚ましのアラームで目を覚まし,
毎朝同じように5分布団の中で格闘する.

毎日同じ時刻に同じようなものを食べて,
同じ時刻に家を出て,
同じ風景を眺めながら,
同じ車と同じあたりですれ違う.

同じような気持ちで,
同じようなことを,
同じような調子で,
同じように過ごす平素がある.

繰り返すことは心地よい.
人の奥に眠る生物の何十億年の歴史の所為か.
流れに身をまかせることのなんと安らかなことだろうか.

でも幾度も幾度も繰り返しているうちに,
そんな繰り返しがいつしか不安をかき立てていく.

そして気づく.
繰り返しを破壊することも同じように心地よいと.

目覚ましのアラーム音を変えてみた.
部屋の模様替えをした.
よく考えてから「そうだよね」と頷いた.

流れに身を任せなかったその時,
人は人間であることの生命の音を聴く.
それは新しい選択をしたことの証だ.



  甲州街道からの渋滞が激化して
  日本の朝を見ました
  覚醒を要する今日と云う
  厳しい矛盾に惑うのです
  つい先(さっき)も

  どれ程若さの上に丸で雲切れの笑顔を並べど変わりませぬ
  孤独を知る毎にあなたの相槌だけ望んでいるあたしは
  あなたの其の瞳が頷く瞬間に初めて生命の音を聴くのです
  天鷺絨の海にも仕方のないことしか無かったら
  あたしはどう致しましょう

  翻弄されているということは
  状態として美しいでしょうか
  いいえ綺麗な花は枯れ
  醜い過程が嘲笑うのです
  何時の日も

              「依存症」より
               (詞:椎名林檎)





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生きる :: 2010/11/13(Sat)

人は全てを受け入れて生きていくことができるだろうか.

過去にはできていたかもしれない.めぐり合うもの,その多くに矛盾が見当たらなかったならば.

出会う人々,経験,身を置くコミュニティ,社会の構造,思想,信仰...そこに矛盾がなかったなら,きっと噛み合う.皆それに従っていて,それそのものこそが調和だった..そんな世界が目の前に溢れていれば,全てを受け入れ,心の底から本当にそうだと実感して生きていけそうに思う.

しかし現代の日本に生まれてきて,果たしてそんなことあるだろうか?親が言うこと,教師が言うこと,友人からのメール,教科書に書かれていること,テレビがしゃべること,ファッション,音楽,インターネット,小説の中,雑誌の中,漫画の中,アダルトサイト,溢れかえる数多の情報...人々の思い...

互いに様々に矛盾しているじゃないか.混沌としている.どうして世界を全て受け入れられようか!

だからこそ,溢れる人々の営みの中に,自分が「そうだ!!」と共感する何かと出会わなければいけない.それを求める旅こそが目の前にある.

みんな破片なのだ.どれひとつとして完全なものなんてない.この世はばらばらの部分の寄せ集め.もし自由や権利や愛情や名誉を欲したとして,本当のそれらが何なのか,そんなこと誰も知らないし教えてくれるわけがない.だから,自分は常に不完全だ.

でも不完全だというから何なの?

理想と現実はいつも自分というその存在にまとわりつく.その間をうろうろしながら,これは違う,こっちはもっと違う,って考えながら,それでも理想をずっと見つめているんだよ.そこに素敵な未来がまだ見えているから.だから僕はずっと走り続ける.どんなに苦しくて息が切れても,それこそが生きてるって実感できることなんだ.他人からはそうだねって,軽々しく賛同はされたくない.だってみんな何も知らないくせに.


  嗚呼・・・
  充たされないで,
  識らないで,
  追い掛ける影の美しさよ.
  皆まで言うな.
  憧れ続けてた筈の,
  孤独と自由が首を絞める.
  なんてこの世は果てしないのだろう


でもね.もう疲れたんだ.本当に息が切れて,どんなに走ろうと思っても,どうしてなんだろう,ぜんぜん生きてるって実感できない.確かに追い求めてたものはやってこなかったし,やってくる必要はなかったのかもしれない.全てがばらばら.それこそが現実だってこと?それを受け入れたってこと?だから息が切れた?

違う違う.諦めたんじゃない!!そんな理屈じゃないんだ.理想を求めて走り続ける,その行為自体にもう飽きたんだ.いろんなものを見たし聞いた.繰り返し,繰り返し...だんだん身震いする発見がなくなっていって,走るための意欲が湧かなくなった.だって同じことだけやってたら人は飽きるもの,違う? この世は有限だったんだ.

胸にあるのは,求めていた理想の未来.夢.それは色褪せてるわけじゃないんだよ.今でもね.でもそれに近づこうとする気力がなくなった.だからこそ,理想を追い求めて走り続けても全然それに近づいている気がしなかった,そんな頃の自分の気持ちより,今はもっともっと,本当に虚しいのさ.

でもね.可笑しんだよ.そんな無欲が胸を占領して,僕の心を満たしているみたい.満ち足りてしまった.この世には,あまりに何もないんだって,そんな気持ちに僕は満たされて(充足して)いるんだよ.


  最早何ぶん諸々を聞き飽きて居る.
  嗚呼・・・囚われないで,
  云わないで,為遂げる光の
  しなやかさよ.
  至らなかった.
  忌み嫌い続けてた筈の,
  無欲と空虚が
  胸を占める.
  なんてこの身は頼りないのだろう.
 
  あまりに何も無い.

             「生きる」より抜粋
             (詞:椎名林檎)

全歌詞:http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND89683/index.html

※これは,椎名林檎さんの詞からインスピレーションを受けて書いた自分の文章です.


全くやる気がない若者が身近にたくさんいる.これはもう,この歌で語られている最終領域に到達しているのかもしれない.無気力であること,何も考えられないことは,彼ら彼女らが駄目なわけでは決して無いと僕は強く思う.わくわくできるような,飽きようがないような素敵な変化が無くては...何かないかなぁって思いながら過ごしています.



(CD音源)


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さて,ようやく東京事変の「ウルトラC」ですけど,ついに購入,じっくり鑑賞しました.素晴らしいです.dynamiteツアーの奇跡をもう一度見せられた気がする.音が生きていて,ライブを見て初めて発見がある曲もあります.CDは事前配布される予習するための教材みたいなもんですね.

最初の「勝ち戦」から「FOUL」まではずっと鳥肌立ちっぱなし.FOULの押しつぶされそうな重さがすごい.この曲が何を伝える曲だったかこのライブを見て初めて感じることができた気がする.言葉に変換できてないけど,これはダイナマイトの時の「サービス」と同じ感想...その後,「ありあまる富」「生きる」「絶体絶命」「遭難」と続くのだけど,観てるうちに自分も遭難します.(笑)遭難は完全に違うアレンジで,びっくり仰天.すごい説得力!30代の自分にはちょっと懐かしい旋律があるので,なおさら...ちなみに遭難は行方不明になることじゃなく,災難に遭うこと,つまり出遭いの曲ですのでお忘れなく.

本当に最高のライブなので,是非ファンの方でためらわれている方,購入をオススメします.(笑)

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