カンボジア,アンコールワット遺跡群のひとつ,タ・プローム.

これが,タ・プロームを象徴する写真です.この遺跡は発見当初の雰囲気を残すため,あえて整備されず,遺跡に絡みついた大木などもそのままの状態で残されています.そして,何をかくそうこの遺跡は日本人に人気が高いんです.まさに天空の城ラピュタに近い世界なんですね.私はこの遺跡を見て,確かに「感動」しました.私はなぜこの遺跡に感動するんでしょう.
フランダースの犬でも議論した部分ですが,感動は「あこがれ」を見せられた時に生じるようです.私の中には,人間以外のすべての自然というものは結局人間よりも上だという「あこがれ」があるのでしょう.私の勝手な信仰です.核戦争でもやらかしてしまって人間が全滅しても,時間がたてば何事もなかったように森は再生するだろう,というような信仰です.これ,人間至上主義の反対です.そしてある意味,「自分」を「人間」に拡張した場合の,日本人的「謙譲」とも解釈できます.
ところが面白いことに,この遺跡に感動するのは,日本人だけではないそうです.一般に東洋人は概ね感動するのだとか.西洋人がこの遺跡を訪れると,間違いなくガイドに「なぜ整備しないんだ」と問うそうです.そして,発見当時の様子をそのままに残しているんだと説明すると,ようやく納得してくれるのだとか.もしくは「整備すべきじゃないか,だってこのままだといずれ遺跡が森林によって破壊されてしまうぞ.貴重な歴史の痕跡を壊してしまってもいいのか?」と意見を言う方も...これは,全くもって正論と言えます.汗 実際は整備するお金が足りないのかもしれませんね.
このようなものの考え方の違いは,まさに東洋と西洋の違いがそのまま反映されている気がします.西洋人の考え方は,人間がまずありきです.ちょっと身勝手な言い方かもしれませんが,明らかに人間の活動は生活の中心にあります.ですから,生きる活力があり,よりよく生きるにはどうすべきか,意見を持ち,互いにコミュニケーションもはかどります.一方,東洋はどうか.東洋的考え方は,基本的にそれに比べて消極的で,自分の存在は小さなもので,大きな自然の中のただの一部にすぎない,という考え方に肯定的です.ですから,物事を深く考えないんですね.どうせ人は死んで土に還るんだというのも,そういう世界観です.このような違いが,この遺跡を見たときの反応に出てきます.ところで私の職場にはエジプト人がいるのですが,この遺跡を見て感動するかなぁ...やっぱりしないだろうなぁ...
余談ですが,私が訪れたとき,隣にいた英語圏の男性がしきりにAnaconda!!と叫んでいました.大木の幹が遺跡に沿ってくねくね曲がっている様が大蛇アナコンダに見えたんでしょうけど,逆にこの発想は日本人の私にはなかったですね.笑

これが「アナコンダ」.どうでしょう?ちなみに私は,映画「アナコンダ」,見たことあるのでちょっと分かる気もします...笑
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