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安いテーブルワインの中にこそ :: 2010/12/26(Sun)

安いテーブルワインを美味しく飲めるかどうかは,私たち飲む者にゆだねられている...かも!?


こちらは,チリのテーブルワイン.MONTEMAR (2009),セントラルバレー.葡萄はカベルネソーヴィニョンとカルメネールのブレンド.




今回,イーオン(ジャスコ)で実売価格500円以下で入手.実はモンテマールは白もロゼも飲んでけっこう美味しかったので,赤も飲んでみることにしたのだが,赤はちょと神経質なワインだった.生ハムサラダやカマンベールチーズ,バゲットではどうも駄目.

そこで二日目.がらりと趣向を変えて中華料理に合わせたら,今度はもう素晴らしく互いを引き立てあった.やった,これが正解だ!

今回の中華料理はチンジャオロース.にんにく,しょうが,鶏がらスープ,醤油,日本酒,オイスターソースを使っている.レシピはこちら(http://erisabeth.blog123.fc2.com/blog-entry-80.html).

それ以外には豆腐,白菜のお味噌汁,ご飯等.

****

安いテーブルワイン.最近はほとんどセイコーマートのものばかりだが,大手スーパーに大量消費を見込んで置かれているワインの中では久しぶりにヒットだ.

とは言え,このタイプのワインを望外に美味しく飲むにはそれ相応の心構えが必要だと僕は思っている.それがばっちり決まれば,例え500円のワインでも価値は何倍にも上昇する.以下にポイントを書いてみる.


・しっかりとしたワイングラスにちゃんと注いであげる.

安いワインだから安いグラスやコップでもいいや,ということはない.飲み口のガラスが薄く,赤ならそれなりの容積を持ったものがいい.今回のMONTEMAR赤も,グラスに注ぐと豊かな果実の芳香がグラスの中でしっかりと充満する.ゆっくりとグラス回しながら香りをかぐと,十分に素晴らしいワインの香りである.ワイングラスに注がないとここまでの香りの濃縮がかからない.


・合う料理を探す努力を怠らない.

安いワインは何とでも合う,とか,安いワインは料理との相性を考えるほど複雑ではない,というのはおそらく間違い.高級ワインでも安いワインでも,料理を選ぶワインと料理を選ばず何にでもあわせやすいワインは存在する.しかし両者の間には大きな違いがある.高級ワインは香りだけで大いに感動できるかもしれないし,ワインを口に含んで一口飲めばそれで大満足になる可能性もあるが,まず安いワインでそれはありえない.だから安いワインで感動の世界にまで達するためには,必ずや何らかの料理が登場することになる.また,ボルドーの赤ならとりあえずビーフシチューを作れば大失敗はないかもしれないが,実は安いテーブルワインはいかなる料理との相性がいいのか,公式のようなものがないので意外に難しい.しかし一度スイートスポットを発見できれば,いろいろと連想できる,例えば今回のMONTEMARはチンジャオロースに合ったが,豆腐や味噌とも悪くなかったので,豆板醤を使った系統の料理,例えばマーボー豆腐とか,豚肉の味噌炒めとか,そういう系統のおかずとも合うだろうと思う.こうやって,ひとまずMONTEMAR赤の楽しみ方を習得する.

・保存について意識する.

保存する場合,安いテーブルワインは早く劣化するものもあるので,なるべく空気を抜いて(ゴム栓と手動ポンプの器具がセットで売っています)冷蔵庫で保存するのがいい.しかし,僕のこれまでの感覚では,2日くらいで飲みきる場合は,とりわけ空気を抜かなくても大差はないように思う.またものによっては(特にセイコーマートの500円ワインの中には)空気に長時間触れるほうが美味しくなるものもあるので,空気を抜くかどうかは試行錯誤が必要かもしれない.

・飲むときの温度.これも気を配る必要性は大.

安いワインだから適当でオーケー...なのではなく,むしろ安いワインだからこそ気を配りたいところだ.温度はその中でも重要な要素.ラベルに最適温度が書いてあるときは参考にするといいが,書いてない場合は,重めの赤ワインなら18℃くらい.軽くて甘口のものなら12-15℃くらいがいい.白も4℃から15℃くらいまで幅があると思うので,いろいろ試してみたい.で,なぜ4番目に書いたかというと,それは例えば2日目の問題がこれなのである.たいて冷蔵庫で保管することになるから,そうすると二日目はワインが冷えているのである.赤の場合特に,十分に温度が上がらないで飲むと,妙に味気なく感じこれを劣化と勘違いすることがある.実際ワインは安いからと言ってそれほど劣化するものではない.できれば早めに冷蔵庫から出してスタンバイするのがいいのだ.

・おおらかに,楽しむこと.

とここまで書いておきながら,最後にこんなことを言うのも変だが,神経質になりすぎてはいけない.もし料理と全く合わなくて,ワインも美味しくなくても悲観的にならず,何となら合うだろうかと想像をめぐらせてみたり,もしくはワインのことはすっかり忘れていい.(笑)要するに,こだわりすぎて頭の中がワインだけになってしまうのも実はきっといいことではないのだ.ここに書いたような料理の相性の話なんかも,それだけを考えるのじゃなく,頭の5分の4は家族との会話や何か日常の楽しい話題に使い,で5分の1くらいでさりげなく考える.このバランス感覚が一番大切だったりする.

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ウィキリークスに思うこと :: 2010/12/23(Thu)

(ウィキリークスをご存知でない方はこちら.
http://ja.wikipedia.org/wiki/ウィキリークス

ごく一部の特権を持つ人間の手のうちにのみあった情報が漏洩し,それがウィキリークスから暴露される.ヒラリー・クリントン国務長官の「ウィキリークスの行為は米国の権益に対する攻撃にとどまらず,国際社会全体に対する攻撃だ」という言葉が印象的だ.一種の戦争だという認識である.インターネットが普及して以来,ついに現れたこれこそが本物の情報戦争かもしれない.

しかしウィキリークスの行為を本当に「攻撃」だと言えるだろうか?

なぜなら,情報を漏洩させた人物は内部にこそいるからである.つまり情報は内部告発的にもたらされるものであって,ウィキリークスが米国政府の機密文章が保存されているサーバーを攻撃し情報を奪っているわけではもちろんない.守秘義務を破ったとして裁かれるのは告発者だろう.一方,情報が提供されたウィキリークスが担っているその情報の開示という行為は,犯罪行為として裁かれるものであるかどうかといえば非常に困難であるように思う.

ウィキリークスの話題は一般市民よりもむしろメディア間で実に熱い.しかしそれは無理もないことだろう.メディアが担うべき役割の究極行為をウィキリークスがやってのけているのだから.秘密の裏金を動かしている政治家の情報を察知すれば,それを報道して白日にさらすことはメディアの役割である.しかし実際には,ある国家に所属するメディアは国家権力の中の利害関係に組み込まれている可能性があり,あまりに大きな混乱が起きる情報の報道は控える可能性だってあるかもしれない.

その点,どのような国家権力とも利害関係は存在しないだろうウィキリークスは,いかなる機密情報の開示にも躊躇はないようである.これはある意味でジャーナリズムの理想郷のようなポジションにあるとも言える.

12月初旬,ウィキリークスの創始者であるジュリアン・アサンジ氏はロンドンで警察に身柄を拘束された.しかしながら半月も経過せずして早くも保釈金を支払い保釈されるに至った.彼の行為を権力や法をもって抑制することがいかに難しいかがうかがえる.そして,今回の保釈金の支払いにとどまらず,彼の住まいやサイトの今後の運営に関して,膨大な資金提供を申し出ている人たちの中には,世界中の著名なジャーナリストや人権活動家,映画監督,科学者までもが含まれている.

この状況を考慮すると,ウィキリークスが単なる機密情報公開サイトなどではないことが明確になる.権力が掌握している何らかの機密情報に強い不信や不満を持つ人々たちの連携を触媒する,国家という枠に所属しない国際機関のように機能しはじめるかもしれない.

ジュリアン・アサンジ氏はおそらく頭の切れる人物だろう.彼はウィキリークスについてこのように位置づけている.

「われわれの目的はより透明性の高い社会を実現することではない.より公正な社会を実現することである.」

例えば,ある国家機密が存在したとして,それに関わる人物の誰もが特別に大きな疑念や不満をかかえていなかったとしよう.つまり,機密であっていい,それが最善の方法である,という共通認識がある状況である.この状況であればおそらく内部告発はされずに情報は漏洩しない.もし単純に透明性だけを求めるなら,機密というもの自体が好ましくないはずだが,公正さを目的としているのであれば,おそらくこんな状態があったならば,それはそれでいい.そういうウィキリークスの思想が垣間見える...もしくは,機密情報というものはたいてい市民に知られたら都合が悪いものであって,そういうものが公開されることは公正な社会の実現へとつながるという意味でもあるだろう.

すなわち,ウィキリークスはこの世に存在するあらゆるすべての機密情報暴露装置ではありえず,大きな問題が隠されていることを強く意識した人間のための受け皿のように見える.そのような情報を白日にさらすことは,社会をより公正なものへと動かす力となるはずだ,という信念があるのだろう.

もし国家というものが権力と密接に関係した機密情報無しには成立できないのであれば,このウィキリークスの行為は現在の国家という体制を衰弱させ解体する作用を及ぼすかもしれない.その後に混乱が待ち受けているのか,それとも現在では想像もできない枠組みが立ち現れてくるのか全く分からないが,いずれにしても大きなパワーを感じずにはいられない.

もし人類があと1000年生きていたとしたら,1000年後の教科書にはウィキリークスの名が踊っているかもしれない.「それまでの人類は何を行うにしても国家という枠から逃れられなかったが,ウィキリークス事件を境に国家体制から現在の○○という体制へと徐々に変化が始まった」などと説明されている可能性も,決してゼロではないような...そんなことを少し考えてしまう.

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ギター練習の日々 :: 2010/12/13(Mon)

ここ数週間,ギターに没頭中.

ある日の昼食時に,何気に楽器やりたいなぁとつぶやいたところ,すかさず学生の一人がギターを貸してくれた.「僕はもうあきらめたので,無期限でいいです,というかあげます」と言うもんだから,とりあえず少し練習してみようかと思い,借りることにした.

で,これまたアマチュアバンドでドラムをやっている別の学生から,「初心者のためのギター教本みたいなもんを買っても役立たないので,とりあえず好きな曲のコードが載っている本を買うかネットで調べてプリントして,延々それを練習した方がいいですよ」というとっても具体的なアドバイスをもらった.もちろんそうすることにした.つまり,Cはこう,それからFはこうかぁ...というような覚え方はするな,ということだ.

うん,そうだろう.「これはペンです」は,This is a pen. なんて覚え方をしたら英語は駄目で,それと同じというわけだ.すごく分かる気がしたので,コードの名前は覚えないことにした.後で,これがG7だったのか...という順番にしよう.そもそも音楽の素養は自分にはほとんどないので,むしろ都合もいい.

さて,まずは何を弾いて歌いたいかと考えた.すぐに浮かんだのが東京事変の「落日」.それから放課後ティータイムの「五月雨20ラブ」.でもどちらも初心者にはあまりに難しいので却下されました.(笑)

で結局,本屋の楽譜コーナーを物色し,コード進行と押さえ方の絵が一緒に載っているスタジオジブリ作品集を買い,比較的コード進行が簡単で,しかも大好きな曲のひとつ「世界の約束」を練習しまくった.

時より職場の先輩にも指導してもらった.この先輩はもう本当にギターが上手な方で,そしてやはり理系研究者だけあって,論理があるので教えられるときに僕にとってはとっても分かりやすい.押さえる場所を指で探すのじゃなく,腕全体で探す感じ,というようなアドバイスがあまりに適切で,すごくありがたいのだ.

そんなことをしているうちに3週間経過した.そして...なんと,多少ひっかかりながらも,あのハウルの動く城の「世界の約束」を弾き語れるようになったのだ.(むしろ歌詞覚える方に手間取った.)

正直に言って自分に自分が一番驚いている.何しろ3週間前まで僕は楽器は全く駄目だ,センス無いと決め付けていたのだから...3週間前の自分が現在にタイムスリップしてきたら,おそらく天国のような世界に違いない!

僕は昔,独学ではあるけどピアノをかなり真剣に練習したことがある.従姉がピアノが弾けたので熱心に教えてもらったこともある.しかしもう全く上手くならなかった.そして,上達しそうな感覚さえつかめなかった.右手と左手がバラバラに違うリズムを刻んで動くということがどうしてもできず,なんかもうストレスばかりたまるのである.

一方ギターは全く違った.うまく弾けなくても一向にストレスがたまらないのが不思議.それどころか楽しい.右手と左手に別々の役割があり,同じ事をしないのがいいのかもしれない.僕の脳みその動かし方は鍵盤よりもギターの方が合っていたということだろうか.

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鶏肉の赤ワインビネガー煮込み :: 2010/12/07(Tue)

今年のボジョレー・ヌーボーに合わせる料理として鶏肉の赤ワインビネガー煮込みを考えていたのだが,なんとテレビ番組の「チューボーですよ!」で紹介されたって聞いて,早速ホームページを見てみたら...

http://www.tbs.co.jp/chubaw/archives/20101120_recipe.html

大丈夫.レシピは違います.(笑)




(材料)
・鶏肉・・・・500 g(部位はお好みで.今回は手羽中と胸肉)
・トマト・・・2個
・にんにく・・・2片
・赤ワインビネガー・・・100 cc
・水(できれば硬水のミネラルウォータ)・・・100 cc(好みで調節)
・塩(できれば美味しいもの)・・・適量
・シメジ・・・一株
・イタリアンパセリ・・・適量
・オリーブオイル(ピュアオイル)・・・適量

(手順)
・まず,鶏肉を適当な大きさに切り,にしっかりと塩をまぶします.と言っても,しょっぱくならない程度に...
・にんにくはスライス.
・トマトはザク切りに.
・フライパンにオリーブオイルを敷き,鶏肉を入れる.
・強火でしっかり焼く.中は生でもOK.
・表面に焦げ目が少しついてきたところで,赤ワインビネガーと水,ニンニクを入れて,蓋をして蒸し焼きにする.
・しばらく蒸し焼きにしたところで,ザク切りトマトを入れ,引き続き蓋をして煮込む.
・トマトが崩れて色が変わってきたら,シメジを入れる.
・蓋をして1分.シメジに火が通ったらOK.
・お皿にビネガースープと共に盛り付け.
・イタリアンパセリを添えて出来上がり.

(注意点)
決して煮込み過ぎないように.鶏肉の旨みが逃げてしまいます.


この料理はフレッシュなヌーボーによく合う.今年のボジョレー・ヌーボーは,セイコーマートが輸入しているものと,イーオンジャスコで売っていたペットボトル入りの二種類飲んだのだが...やっぱりセイコーマートの勝ち.顕著なのは二日目の違い.でも来年からペットボトルは無くなるという話なので,貴重な体験だった.今年限りのペットボトル・ヌーボー.

さて感想なのだが,昨年よりは密度は無くてちょっと薄かったように思うが,僕の場合たいていはずれのヴィンテージの方が好み.だから結局,すごく美味しいと思ってしまった.味がやや薄い分,できたてです!という主張は逆に少なくて,想定外に複雑な感触があって...2010年のボジョレーヌーボーは僕的にはすごくグー.

遅ればせながらの2010年のボジョレーヌーボーのレポートでした.

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地球外生命体発見!のはずだったが・・・ :: 2010/12/04(Sat)

事前にNASAの記者会見情報を入手していた自分としては,てっきり宇宙人同席での記者会見で,宇宙人の名前はおそらくbossのCMで先行出演していたジョーンズ氏だろうと勝手に予想.ついにこの日がやって来たかと感無量の思いで会見を待っていたのだが...


****

アメリカ航空宇宙局(NASA)は現地時間12月2日(日本時間12月3日)、猛毒「ヒ素(砒素)」を食べて増殖する異質な生命体の発見を発表した。

 発表に先立ち、「地球外生命体の探索に影響を与える宇宙生物学上の発見」(NASA Sets News Conference on Astrobiology Discovery)との声明が出されたため、この数日は「地球外生物の発見か」とネット上が騒然となった。フタを開けてみれば、地球上の新種生物についての発表だったが、前代未聞の生命体だという。

(後略)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101203-00000000-natiogeo-int
http://www.sciencemag.org/content/early/2010/12/01/science.1197258.abstract
http://www.asahi.com/science/update/1203/TKY201012030120.html

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なんだ,砒素を食べる地球のバクテリアかいな...がっかり.NASAも予算削られて必死なんだろうか,などと邪推してしまう.(笑)


この発見は,米国科学雑誌サイエンス電子版に,アメリカ時間2010/12/02付けで発表された.もちろん生物学的大発見ではあるが,宇宙生物学的発見(Astrobiology Discovery)という言葉はやはり言いすぎな気がする.(日本語のニュースでは「地球外生命体の探索に影響を与える宇宙生物学上の発見」と訳されているが,英文の直訳は「宇宙生物学的発見に関する記者会見」である.)

生物の最も重要な特徴として,その多様性とそれを可能とする環境適応性が挙げられる.砒素が多い環境に長時間さらされていれば,砒素を取り込む生物が生まれるということ自体,それほど驚くべきことではない.確かに,このバクテリアはそのDNAを構成するリン酸でさえ砒素に置換された生物であるそうだから,非常に興味深い存在ではある.しかし,そもそも砒素(As)とリン(P)は化学的に似た性質を持つ原子であり,化学的にそのような置換は可能である.驚くべきことはDNAのリンが砒素に置き換わったという事実もそうだけど,そういうことを可能にしているこの生物の代謝系の巧みさの方だろう.様々な蛋白質が十分に砒素化合物を基質として認識でき,核酸の生合成さえも砒素で行えるのだろう.細胞内シグナルもリン酸じゃなくて砒酸で行っているのだろうか?

似た事例として,蛋白質の中の硫黄(S)がセレン(Se)に置き換わるという現象がある.これは人間の体内でも起こっていて,人間にとってセレンは必須原子である.セレンと硫黄は,ちょうど砒素とリンの関係にあり,原子の周期律表で同周期に位置する.硫黄とリンは隣り合わせにあり,1周期後にセレンと砒素が隣り合わせでやってくる.化学的性質が似ているため,そのサイズが多少違っても生物は利用することができるのである.

やっぱり,宇宙生物の大発見などではないなぁ.あくまで地球生物学上での大発見,だろう.

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そんなことを考えているうちに,宇宙生物学という言葉の意味を少し考えてみた.そして,僕が思い描く宇宙の生命像とは温度差があるのかもしれない,と思えてきた.これは,日本(東洋)思想と西洋思想の違いにも関係することかもしれない.

地球外生命体を探索することは,未知との遭遇を求める人間の一種のロマンだろう.しかし現状,探索する物質が水やアミノ酸や炭酸塩のようなものであることから,これは未知の生命体を探しているとは決して言えないと僕は思う.地球上で暮らしている私たちみたいな生命体が宇宙にいるかどうかを探しているに過ぎないのである.あくまでモデルは私たちであり,一種の仲間探しである.

例えば,地球とは全く異なる元素の組み合わせで機能する生命,例えば炭素じゃなくケイ素から成る生物を探すことは非常に難しいだろう.また寿命が数百万年の生物は僕らからは活動している生物に見えないかもしれないし,逆に気体のように不定形で,数万℃の中で寿命が0.001秒の生命も観測できないだろう.

そんなことを考えていると,そもそも生命とは何かという疑問にたどり着く.教科書に出てくるような自己増殖し,自身の機能を維持する代謝を行い,時間と共に進化していく物質の現象,などという定義はたいして面白くない.なぜなら,これは地球上で私たちが生命と名づけたものの説明であるだけなのであって,僕の中では未知の生命はこの外側にいる.

例えば,ギターとピアノと太鼓とトランペットという楽器があるとして,私たちはギターだけを「楽器」と名づけて,それ以外の楽器を全て「それ以外」として片付けているようなものじゃないかと思うのだ.実はトランペットという,ギターとは全く違う原理で音がでる楽器があるかもしれない.しかし残念なことに,私たちはピアノも太鼓もトランペットも,どうやって音がでるのか,演奏の仕方も,いやその姿や概念の何一つさえも,きっと何もまだ知らないのである.

ああ,確かにそうなのだ.私たちのこの現状では,「真に未知の存在」を探す手がかりさえない.だから私たちは地球外生命体との遭遇を目指して,やっぱり地球型生命体をモデルとして探すしかないのだ.もし存在していれば,「存在している!」とちゃんと気付くことができる可能性があり,あわよくばコミュニケーションをしたり理解したりできる.そのためには,同じ成り立ちの仲間である必要があるってわけだ.これこそが現実的に大発見を目指す「サイエンス」の有り様なのである.

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