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種の間の壁はあるや無しや :: 2010/08/18(Wed)

種が隔てられているのはその瞬間だけで,時間の流れの中では皆つながっているのだろうか.

僕はエゾトンボの仲間の種の区別がなかなかつかない.



こちらは,時より散歩する札幌近郊の公園でよく見かけるエゾトンボの仲間.止まっているトンボを見て,彼がコエゾトンボなのかタカネトンボなのかカラカネトンボなのかモリトンボなのか,僕は全く分からないのだ(maleだということは分かります.笑).もちろん専門書やとても詳しい人に話を聞けば,一応理解できる.でも,ちゃんと記憶して分類するのはとても難しい.それくらいわずかな違いしかない.

僕はあまり「分類」という言葉は好きではない.でも生物種間に「違い」は確かにあるし,それを明確にするために分類という作業はある.そして何より,僕にはコエゾかタカネか分からなくても,本人たちは非常によく分かっている,それが「違う」ことの何よりの証拠である.トンボ達からすれば,ニホンザルも人間も同じに見えているかもしれないが,僕らには人間と猿の違いというものははっきり分かる.エゾトンボ達も同様に,お互いの種の違いをよく分かっている.

種,というものは,人間が定義したかに見えて,いや実はしっかりとそこに存在している.チンパンジーと人間は違う.なぜそう言えるかというと,人間とチンパンジーの中間である生き物が全くいないからである.それはただの偶然だろうか? いや,そうではない.もしネアンデルタール人やジャワ原人が,現代にも生きていたとしよう...それでもやはり,ネアンデルタール人と人間(ホモ・サピエンス)との中間の種はいないことに違いはないのだ.種と種の間を満たしている存在がいない.生物は連続じゃなく離散なのである.

チャールズ・ダーウィンはやはり偉大な人物だと思う.生き物が世代を重ねてゆっくりと,環境と調和しながら変化していき,現在の多様な生物種が地球に生まれた,そのようなことが生物の教科書には必ず書かれてあるだろう.生命は最初おそらく一種類もしくは数種のわずかな存在だけだったが,それらが様々な環境を経験しながら次第に姿かたちを変え,様々な種に分化し,現在に至っている,と.

この生物の進化のイメージに対して,科学の立場から文句をつける人は現代にはほぼいない.しかし,よくよく考えていると,人間は誰も生物の大きな進化の現場を見たことがない.科学の基本は観察すること.そしてその観察した内容を科学の言葉で説明することだ.もし観察から新たな仮説を立てたなら,それが正しいことを立証しなければならないし,そのために実験を行わなくてはならない.そういう意味では,ほとんどの科学者がこの進化のイメージを信じているのは,驚くべきことかもしれない.例えるなら,長大な映画フィルムの最後のある「ひとコマ」だけを見せられて,その映画のストーリー全体を予想しているようなもので,そのストーリーを多くの人は信じている状況だ.マクロな進化論はいまだに「仮説」なのである.

僕達はそのひとコマの中だけで生きている.その中では,僕達はクマゼミがアブラゼミに変化しないことを知っている.茄子がトマトになったりはしないし,トノサマガエルだってアマガエルには決して変化したりしない.しかし,それは僕らのたかだか百年弱の人生の中の話だからだと言うのか.もし何千万年,いや数億年もの時間があれば,クマゼミはアブラゼミに変わるようなこともあって,そしてその時間の流れの中ではアブラゼミとクマゼミの中間の姿のセミは果たして存在するというのだろうか?

もしゆっくりと変化しながらそれら中間の生き物が存在するのなら,お互いに時を越えて出会うことはできなくても,時間に寄り添って生命の種は離散ではなく連続だ.コエゾトンボもタカネトンボもモリトンボも,結果的に生まれることになるかもしれない未来の何かあるトンボに向けて,今目に見えないほどゆっくりとした速度で変化している最中なのかもしれない.

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テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

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