二度目の旭山動物園訪問.前回は6月だったので,冬の旭山は初めて.もちろん目的はペンギン散歩.
散歩コースは全長どれくらいあるのだろうか...たぶん500メートルくらいになるのではなかろうか.そこをペンギンたちがのんびり歩いてくる.だいたい1時間弱くらいかけて散歩する.
散歩は行きたいペンギンだけが出てくるそうである.特に飼育係の方は何もしないらしく,よって出てくるペンギンの数は毎回違うそうである.そして散歩中も餌でペンギンを操作したりすることもない.ただただ,ペンギンが自主的に歩いてくるように見える.これはペンギンの狩に行く習性の一部なのだそうだ.
奥のペンギンは斜面を登ろうとしているけど,そういうきままな行動に対しても基本的に飼育係の人は干渉しない.
時よりきわめて間近にせまってくるペンギンもいる.手で触れそうな範囲どころか,こっちがちょっと怖いと思うくらいまで近づいてきて目が合ったりする.距離にして30センチくらいだろうか...どうやらあちらもこちらを観察しているようだ.
ペンギンは遠くから見ていると可愛いのだけど,至近距離で見るペンギンの目つきは非常に鋭い.可愛いという言葉とは無縁の表情.とてもかっこいい.
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旭山動物園は北海道旭川市にある動物園で,今や言わずと知れた有名動物園である.
僕は昔からあまり動物園という場所が好きではなかった.僕は福岡生まれなので,福岡市動物園の風景が思い出の中にあるのだが,動物園訪問を楽しんだ思い出はない.その理由はすごく単純で,「動物が可哀相」という気持ちになってしまう,これに尽きる.
狭い檻が並び,その中に動物が入れられ,説明の札が並び,それをずらずらと外から見ていくスタイルが微妙だった.そして,動物たちも全く活き活きしてなくて,イライラしているか寝ているか,とそんな場所も多かったように記憶している.それでも福岡の動物園はまだいい方だと聞かされていた.郊外の緑の多い場所にあるからだそうだ.
しかしながら,僕は動物(生き物)が好きなのだ.だから基本的に動物を見たいという気持ちはある.そして,身近ではない世界中の様々な動物を見ることができる動物園はやはり貴重な場所で.
そう,動物園に行きたい,とはいつも思うの.で,行ってみると微妙な気持ちになる.この繰り返しを多分何十回と繰り返してきたように思う.
旭山動物園の特徴のひとつは「行動展示」というもので,これはただ動物を展示するのではなく,動物の行動も一緒に見てもらおうというもの.餌をとるしぐさだったり,じゃれる姿だったり...そして寝ている姿でさえも,もっともその動物がその動物らしく寝ている姿が見えるように工夫されている.例えば,豹は高い場所が好きで,そういう場所ではリラックスして寝ることができるので,そういう場所を設けて,その場所を客が間近で見ることができるような工夫がされているのだ.
つまるところ「行動展示」は,動物たちにいかに自然体でいてもらえるかを最優先に考えて行われているものだ.人間である客はそういう状態の動物たちを見ることで,今までにはなかった経験をすることができるわけで,動物もハッピー,人間もハッピーだ.とても功利的な結果が生まれているのである.本当に素晴らしい動物園だと思う.この動物園で行われていることこそが,まさにプロフェッショナルの仕事だ.こんな仕事の成果が日本にたくさん溢れるようになれば,きっと社会はもっと明るくなるだろうなぁ,などと思ってしまう.
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せ~ちんさま,お久しぶりです
ペンギンの新たな歴史の1ページを生み出すのはきっと彼(女)ですね.
- 2011/01/16(Sun) 14:40:41 |
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- えりざべす #m5Dxg7h6
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