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詐欺社会の構図(1)-日本の住宅業界- :: 2008/01/31(Thu)

自分の考えを持つ,何かを具体的にイメージするという作業は,日本人はすごく苦手ですね.しかし日本人は,自分たちのそういう部分につけこむビジネスを素晴らしく発達させてしまっています.今後こういう状況を「詐欺社会の構図」と題して記事にしていきたいと思います.

第一回の今日は,家の購入です.例えばマンションを購入しようとしたとします.まあ一般的には家が人生で一番高い買い物なので,本当に真剣に考えるべきもののはずです.マンションが欲しいと思ったら皆さんはどうされますか?まずはインターネットや新聞の折り込みチラシなどの広告を見て,「いいかも」と思う物件の情報収集でしょう.そして実際にモデルルームを見に行き,商談,そして最後に購入,とこういう順番でしょうか...だいたい多くの日本人がこんな感じ家探しをすることでしょう.

しかーし.この中にはとても大切な部分が抜け落ちているように思います.それは,情報収集を始めるその前の話し,そう,家を購入した後の「具体的な生活のイメージ」と,それに伴う具体的な設備,間取りなどに対する要望です.例えば「バスルームには窓が欲しい」とか「対面キッチンは動線が長くなり,使い勝手がよくないので嫌だ」とか「雨の日でも洗濯物を干せる場所がある家がいい(北国では冬はずっと室内ですからね)」とかそういう具合です.たいしたことではなくても,こういうひとつひとつは極めて大切な概念だと思います.

さて,もし具体的なイメージを持たずモデルルームに行くと,どうなるでしょう.そこからは「ナチュラルな詐欺」のオンパレードですよ.モデルルームは,一般に専門のインテリアコーディネータが仕上げた空間であり,かなり素敵です.実際の部屋にはそんなオプションなどついていません.しかし分かってはいても心惹かれます.とにかく漠然と好感を持ってしまいますね.次に営業の巧みな誘導.「返済プランだけでもお見積もりいたしましょう」などと言って席に座らされ,コーヒーやお菓子などが出てきて,アンケートを書かされて,がんじがらめにされていきます.こっちが初めから「見るだけ」のつもりならまだ断ることは可能ですが,少しでも購入を検討しているなら,この誘導から逃れる策はありません.ローンの返済計画の話しはかなりいい加減ですね.こっちがお金に詳しいかどうかで言葉を選んでいるのがよく分かります.そして最後の決め台詞は「迷っていたら決まらないですからね.家の購入も結局タイミングですよ~」「急がないと,すぐに決まってしまいますよ~」.

一方,家に届けられるマンションの広告の内容も悲惨なものです.以下は,私の家に最近入ったマンションの広告やビラに書かれている見出しの一部と私の感想です.笑

「モデルルーム先着10名様に1000円分の商品券プレゼント!」
  1000円の商品券で家の購入を促すようなことはやめてください.(^_^;)

「今,住まいが輝きの中心になる」
「まばゆさと心地よさの上質プライベートスタイル」
  輝きの中心?まばゆさ?上質プライベートスタイル??根拠が一切分かりません.
  言葉遊びはやめましょう.もしくは,意味と根拠を示してください.

「比べてください.この価格でこの仕様」
  仕様だけよくても意味がありません.
  しかも,そんなにお得なのかどうか全く分かりません.

「今の家賃と比べてください.自己資金なしでも月々76,401円の支払いでご購入いただけます」
  3年固定金利で一番安い2階の3LDK,
  後に高くなる可能性のある修繕費や管理費のこともちゃんと書いてください.
  詐欺ですよ.

このような宣伝文句が日本の住宅業界の貧しさを如実に物語っていると言っても過言ではありません.そして,これでうまいこと業界が回っているということは,粗品につられてモデルルームに出向き,購入につながることは現実にあるということです.しかし考えてもみてください.たくさんのお金を支払って購入するわけですよ.本当に暮らしやすい,豊かな空間にしたいともっと思うべきでしょう.そしてもっと具体的なイメージを持ち,それを実現できそうなマンションなり,住宅メーカーを探すべきです.皆がそういう姿勢を持ち始めると,メーカーももっと考えられた家作りをするようになると思います.

前にもちょっと書きましたが,市場経済において物の商品の質は消費者の質を反映しています.日本のマンションの間取りが,コピー&ペーストのように同じものばかりなのは,それで消費者がそれなりに満足しているという裏返しでもあります.おそらく日本人にとって家を買うことは,儀式です.自分の家を持ってはじめて一人前だと思っていたり,マイホームで暮らすことではなく,マイホームを手に入れること自体が目的になっているように感じます.儀式のための家購入なら,間取りなんて確かにどうだっていいわけです.しかし.ここではさらに由々しき問題を指摘しておきます.それは,メーカー側のそんな消費者を手玉にとる極めて利己的な体質です.露骨にとことんコストを下げようとしますし,中身は適当でも消費者にはばれなければオーケーだという精神を感じます.バスルームはほぼ例外なくプラスチック製の檻(私はユニットバスをこう名付けています)でしょう.壁は,大量消費することで低価格設定ができる白の壁紙が基本です.適当に間取りを作っているので,テレビを置く場所がないリビングになったり,ベッドを置くとクローゼットの扉と干渉する部屋ができたりします.未だにスケルトンインフィル*が標準になりません.日本の住宅業界は非常に寒々しい状態だと思います.

*構造体(骨組み)と内装設備などを独立に構築する工法.これにより,配管などのメンテナンスが容易になり,また大幅なリフォームにも対応できます.同一の構造体の中で,時代とともに様々な要求に合わせて住まいを再構築することが可能となるのです.欧米と違い日本の住宅寿命が極端に短いのは,この工法をとらないことも大きな要因だと言われています.

   
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テーマ:住まい - ジャンル:ライフ

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