茎-STEM-(1)

風力発電の羽根を間近でみたことがある方はお分かりになるでしょうか.近くに行くと,羽根がすさまじい風きり音を放ちながら,すさまじい速度でまわっていきます.モーターの不気味な地鳴りのような音とともに.

この羽根をひとりの人間の手で止めることなどできるはずがありません.そして私にとって日本を改革するのはこういうイメージです.

この国の現在のシステムは決して止まることの無い風力発電の羽根のように,すさまじい運動エネルギーを伴っているように感じます.似た価値観を持つ人間,和を乱さず人と同調することでお互い安心感を得る気質,形式を重んじ,本質的な部分はあまり追求しない姿勢,これらが結集することでとても強力なパワーが生まれるのでしょうか.

さて,この巨大な運動エネルギーはまた,抗う者を排除する絶対的な力をも持っています.新しい風を起こそうとする者には,出る釘としての手痛い洗礼が待ち受けているものです.まあ,そもそも戦力喪失でしょうか.ですから,もしこの現状を本気で憂えば憂うほど,なす術ない哀しさが膨らむばかりです.最も楽なことは,すべてを受け入れ,その中に安住すること.そして人はそれを選択して,この巨大なエネルギーをさらに強大なものにしていってしまうのです.


     此の扉なら破れない
     其の塔なら崩れない
     彼の天なら潰れない
     何れも嘘らしく馨っています
     
     喩え蒔いても育つてもクレマチス
     咲いても強く色付かうとも
     瞬時に黙つて堕ちて逝きます
     如何して なぜ哀しくなったの
     現実の夢

             「茎」より
             (詩:椎名林檎)



テーマ : 東京事変 - ジャンル : 音楽

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